前回はサラリーキャップについて書きました。今回はそのサラリーキャップの基本となる給与の決まり方について書いてみたいと思います。
(※今回もNFL公式のこのページとPacker Zone様を参考にさせていただいています。)
NFLの選手の給与は、完全に自由というわけでもありません。
◆ルーキーの契約と給与
ルーキーの契約はある程度決まっています。
まず年俸は、「ルーキープール」と言って、その年のルーキー全体に払うことができる年俸総額が決まっています。また、ルーキーの契約年数は4年(ドラフト外は3年)、さらにドラフト1巡選手には5年目契約オプションが与えられます。ルーキーの年俸は4年目(3年目)までは前年+25%を超えることができません。これによってルーキーの最初の4年間の年俸は比較的低く抑えられています。
例えばスーパーボウルMVPの3年目QBパトリック・マホームズの今季の年俸(基本給)は$645,000($0.645M)です。前々回の記事に書いたQBウィルソンの年俸($18M)を見れば、ルーキー契約が終わるとマホームズは$25,000,000($25M)程度の年俸(基本給)をもらってもおかしくありません。
ドラフト1巡選手には5年目契約のオプションが与えられます。その年俸は、ドラフト全体10位まではその選手のポジションの前年のTop10の年俸の平均、11-32位の選手にはその選手のポジションの前年の3-25位の年俸の平均となります。結果かなり年俸はかなり増えます。2020年の5年目オプションの年俸はこちら。5年目オプションの契約をするかどうかは5月3日までに決めなければなりません。
・実績による年俸エスカレーター(Proven performance escalator "PPE")・・・ドラフト3巡から7巡の下位の選手には、最初の3シーズンのうち2シーズン、または、最初の3シーズンの平均で攻撃/防御スナップの35%に参加すると、4年目の年俸がRFA(制限付きフリーエージェント)への最低オファー年俸(2020年予想は$2.144M)まで増えます。これをPPEと言います。最近ではタイリーク・ヒルやケンヤン・ドレイクらがこれを獲得しています。シーホークスではRBカーソン、CBシャキール・グリフィン、Sトンプソンが来季これを獲得して年俸が一気に増えます(正直トンプソンはどうなのかと思いますがルールですので仕方ないです)。
また、ルーキーには最低年俸が決められています。2020年は$510,000($0.51M)です。
・独占フリーエージェント(ERFA)・・・NFL経験が3年未満の選手が解雇されると、"Exclusive right free agent (ERFA)" (独占フリーエージェント)というフリーエージェントになります。元いたチームは最低年俸で1年契約をオファーでき、その際は他のチームとは交渉できません。そのオファーもなかった、または拒否した際には下の無制限フリーエージェント(UFA)になります。普通ドラフト入団したルーキー契約は3年以上ですから、ERFAになるのはドラフト外または一度解雇されたルーキーということになります。
◆ルーキー契約が終わった選手の年俸
ルーキー契約が終われば、選手はフリーエージェントになります。次に結ぶ契約の年俸は上限なし(理論的にはチームのキャップスペースまで)になります。3年または4年頑張れば高額のサラリーがもらえるわけですね。
3年または4年以上NFLに在籍した選手の契約が切れると選手はフリーエージェントになります。フリーエージェントには2種類あります。
・無制限フリーエージェント(UFA)
まず、無制限フリーエージェントは、どのチームとも制限なく契約できる完全に自由なフリーエージェントです。NFL在籍4年以上の選手の契約が切れるとUFAになります。年俸も思いのままです。今年は3月18日からフリーエージェント選手と契約することができます。シーホークスの今年のUFA選手はこちらの記事をご覧下さい。
・制限付きフリーエージェント(RFA)
NFL在籍3年の選手の契約が切れると、制限付きフリーエージェントになります。まず該当選手にはチームから1年契約のオファーが届きます。このオファーには、年俸が$4.5M程度(補償はドラフト1巡の権利)、$3M程度(補償はドラフト2巡の権利)、$2M程度(補償はその選手のドラフト巡の権利、ドラフト外は補償なし)の3つのランクがあります。チームは3月13日までに選手にオファーする必要があります。選手はこのオファーを受け入れるかどうか、4月17日までに決めなければなりません。また選手を他チームが引き抜く場合は上に書いた補償が必要になります。シーホークスの今年のRFA選手についてはこちらの記事をご覧下さい。
・最低年俸
ルーキー契約が終わった選手にもNFL経験年数によって最低年俸が決まっています。2020年はこんな感じのようです。
・開幕ロースター登録による基本給保証
NFL在籍4年以上の選手は、開幕にロースター登録されれば1年間の基本給がすべて保証されます。逆に言うと、開幕週にロースター登録されなければ出場した週からの基本給を払えばいいことになります。このことから、開幕2週目から登録されるベテラン選手が多く出ることになります。
・フランチャイズタグ
フリーエージェントになった選手をチームがどうしても引き止めたい、という時、各チーム1名だけを「フランチャイズタグ」指定選手にすることができます。これは、この選手に、その選手のポジションのTop5の給与平均額以上、または、前年の年俸+20%以上の給与を払うことで、選手をチームに引き止めることができるという手続きです。ただ、選手はさらに高額の年俸をもらえるチャンスが減ってしまうため、フランチャイズタグを貼られることは嫌がる傾向にあります。
2019年にフランチャイズタグを貼られた選手はこちら。6人だけです。シーホークスはDEクラークにフランチャイズ・タグを貼ったあと、チーフスにトレードしました。このような手法もよく取られます。
・トランジションタグ
こちらもフリーエージェントの選手をチームに引き止めるための手法ですが、フランチャイズタグよりは弱いです。これに指定されると、その選手が他チームからのオファーを受けた場合、所属チームが同額のオファーを出せば引き止めることが出来ます。トランジションタグに指定された選手の年俸はその選手のポジションのTop10の平均給与額になります。去年はこのタグに指定された選手はいませんでした。おととしはベアーズのCBフラーが指定されています。
今年は上記2つのタグを貼る選手をを2月25日から3月10日までの期間に指定しなければなりません。
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このあたりまではNFLの各サイトで良く見るので、私も理解しようと思ってまとめてみました。何分NFLをきちんと見始めたのは最近なので、間違いがあればご指摘下さい。
次回は、どうもNFLと選手の間で新しいCBA(団体労働協約)がまとまりそうなので、それについて書いてみようと思います。決まれば







